『THANATOS NiGHT vol.6 デュラン』感想
※ネタバレ注意
雰囲気の参考にしてもらえるとこれ幸い。
追記にて。
主人公が死にたがりってどういうこっちゃ!!
と、どうしてもまず突っ込みたかったので突っ込みます(笑)
設定として、彼らは堕天使で背中にある黒い羽根が見えた人間は殺さないといけないみたいです。
まるで死神だか悪魔だかのようですが、それを言っちゃうと怒られます。
デュラン編の主人公は、最初こそデュランにしつこく付きまとったり、おせっかいを焼いたりしていてデュランにものすごくウザがられます。
割りとガチめに罵ってくれたりするのでそういうの好きな人は最初の部分おすすめです…最初は殺してくれと頼んでも「めんどくさい、勝手に一人で死んでくれ」と言われる始末。
ちなみに、デュランが堕天使と知ってから元々登校拒否だった主人公は学校に来るようになり、毎日のようにデュランの所に声を掛けに来ます。
(移動するたびに後をくっついてるようで、そりゃデュランじゃなくてもムカつくだろうなあ…笑)
授業をサボってた罰として図書室の片付けを頼まれたデュランですが、後をついてきていた主人公に代わりに押し付けたり…冒頭は結構ひどい。
まぁ片付けに免じて願いを叶えてやるよ、ってなるんですけど…!
そんなこんなで堕天使であるデュランと約束を取り付けることができた主人公ちゃん。満月の夜に実行する、と言われます。
なんでそこまでして死にたいのか?と聞かれ、主人公は家の人から相当な暴力を受けていることを言ったようで…。
死にたいと思うくらいなんだから、いっそ学校の先生とかに話せばいいだろ、とも言われるんですが(確かに)主人公はデュラン以外にはバラす気はないようで…
曰く「家族を犯罪者にしたくない」とのことですが、気持ちはわからなくもないですがうーん…
学校に来れないくらい酷い暴力を受けているのにそれでも言えない…まぁ言ったが最後、今より酷い仕打ちを受ける可能性がありますからね…。
デュランと話してから毎日のように学校に来ていた主人公が、突然また来なくなります。
さすがに気になったデュランでしたが「俺が気にすることじゃない」と思い直し、帰宅しようと学校を出たところで主人公発見。
いつも見る以上に酷い怪我を負った主人公を見て、危ないと思ったのかとりあえず着いて来い、と言って半ば無理矢理連れ出します。
着いた先はデュランの部屋で。
お礼を言う主人公に「別に助けたわけじゃない、ここにいれば満月の夜に迎えに行く必要がないから」と言われるんですけど、ぶっきらぼう系のなにがいいってこういうさりげない優しさ…!!!
優しさが身に沁みます。癒やしください…
(ちなみにデュランの部屋には水槽が置いてあるらしく、金魚だか熱帯魚だか…とにっかく魚がいるみたいですね。)
その間、鬼のように主人公のスマホは鳴り続けていて…出る気はないみたいですが、切る気もないようで。
正常な判断ができるうちは逃げようと思うのでしょうが、この主人公は長い間やられ続けていたのか、感覚が麻痺しているようです。
「逃げてしまったけど、怒られるから帰らなきゃ」
と、帰ろうとする主人公を見かねたデュランが
「そのまま帰ったところで、今度こそ本当に……。
逃げても電話で呼ばれたらまた帰って…殴られて…お前、本当にそれでいいわけ?」
…全力で引き止めてくれるの最高すぎです。その後、
「ここに殴るやつはいない、何を言っても誰も責めない。俺が聞いてやる。だから…言ってみろよ」
はーーーーーデュラン優しすぎでは????
所々主人公の気持ちを代弁してくれてるんですけど、あまりにも悲しくてですね…もっと早くこういう人に出会えてたら主人公ちゃんがここまで思い詰めることはなかっただろうに…
未だ鳴り続ける主人公のスマホなんですけど、うるさいと言ってスマホを水槽にぶち込んで水没させたデュランくんはさすがというかなんというか。
「これでお前は自由だ、満月の夜まで好きに過ごせ。最後くらい俺が守ってやる」
ってもうねーーーーーありがとう。
とにもかくにも、デュランは堕天使で人を殺せるということを知った主人公の願いを叶えてくれたり、いつでもできるわけじゃないからその時がくるまで待ってろ、待ってる間は俺の部屋で過ごせ、ってあまりの優遇っぷりに涙が止まりません…早い…
その後、ちゃっかり買い物に行って薬やら何やらを買ってきてくれるんですけど、こういうところにも優しさを感じますね…
最初は「用意はしてやったから自分でやれよ」と言われるのですが、自分で自分の腕に包帯巻くのってやるとわかるんですけど結構難しいんですよね。
そんなもんで、なかなか上手くできない主人公を見かねて「もういい、俺がやる」って代わりにやってくれたり…
(やったことないから下手だからな、とわざわざ前置きを入れる。絶対上手だと思う)
そこら中にぶっきらぼうトラップ(ぶっきらぼうの美味しい要素のことを指している)が仕掛けられていて、豊永さんの低いカッコイイ声も相まって常にごろごろしてました。
ついにその時になったとき、多分一番デュランが優しい瞬間だったと思う。
もし今までより痛くて苦しかったらどうするんだ?とデュランに言われて、別に構わないという主人公。
そんな主人公に馬鹿だなお前、と言いつつもその声色はとても優しくて、
「痛くするわけないだろ。今まで痛いことばっかだったんだ…最期くらいは、優しく逝かせてやるよ」
「次はお前が、生きてて楽しいって思える世界に、生まれ変われるよう祈ってやるよ…」
って言ってて…いやもうお前どこまでかっこいいの?????
別に私はそんな過酷な環境で育ったわけではないんですけど、このデュランの言葉にはきっと主人公も救われただろうなと思うと涙が止まらないですよ!!!!!
最期の最期で出会ったのがデュランでほんとによかったな主人公ちゃん!!!!ってなるよ!!!!
餞別だって言って主人公ちゃんにキスしてあげるデュランほんとにイケメンすぎて私が耐えられないですむり…
そしてデュランの歌がですね!!!!!最高にカッコイイ上に歌詞がほんと悲しくて、歌だけで涙出てきますね…
豊永さんの歌声がとても好きで、あとお上手で!!!とてもいいです…サイトで試聴できるのでぜひに……よいです…
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あまりにも主人公の家庭環境が辛すぎるので、本当に救われて欲しいですね。
デュランが心のやさしい人で本当によかった…できるなら、死ぬことなく暮らして欲しいともちろん思いますが、本人が心底望んだことならそれでよかったんだと思います。
その立場にいない私には本当の辛さがわからないですしね…死ぬな、というのは簡単ですが私にその責任は取れない。
なんだか色々と考えさせられるストーリーだったなと思います。
流れにも無理がなく、暗い話でしたがとてもよかったです。聴いてて自然に涙が出てくるCDも珍しい。
ただ正直、万人受けするものではない。
ですが、豊永さんの低くてぶっきらぼうながらも、どこか優しい声を聴きたい方や、こういったストーリーが好きな方にはぜひ聴いてみて欲しいですね。
・キャストトークについて
初回限定版にはキャストフリートークが入ってたんですが、冒頭ではデュランの雰囲気で自己紹介されていたんですが、ご本人は真逆、とまでは言わずともわりとテンションが高い人柄なので~って言ってて、確かになあ…と思ってしまいました(笑)
内容としては、収録後の感想やら演じたデュランに関してのことで、10分ほどですかね。
豊永さん自身も言ってたんですけど「デュラン優しいよね!?」って、ほんとそう!!!だよ!!!!!
テンション高く、終始ほんとに楽しそうに喋ってる豊永さんが面白かったですね!
歌でなにかできるとしたら何がいいですか?の質問に、「料理できあがるとかいいよね!今日は~オムライ~ス~♪\チーン/って!!」と答えた豊永さんほんと面白すぎですw