『終極のDOLLS vol.2 紅玉のリチャード』感想
※ネタバレ注意
雰囲気の参考にしてもらえるとこれ幸い。
追記にて。
最初は団長(リチャードたち人形劇団の団長)からの命令で主人公に近づき、「魂を奪う」という任務を遂行しようとしてます。
魂を奪うために7日間だけ一緒にいることになるわけですが、
ただの人形だと思ってた主人公からしたら自我があって、普通に動いて喋る人形とか流石にびっくりしますよね。私だってビビる。
ちなみに、リチャードがキスをすると魂が奪えるらしいです。
動いて喋るドールとかローゼンメイデンry
任務遂行(キスをする)のために、主人公にあの手この手で迫るリチャードはかわいい。
抱きしめていい雰囲気に持ってったり、薔薇園に行ってみたり、花束あげてみたり…
好きだの嫌いだのとかいう押し問答とか、怪我した主人公を見て悪いと思ってるのに「お前が悪いんだぞ」って言っちゃうくだりは、どっかの吸血鬼でも似たようなこと聴いたな~なんて思ったりもしました。(笑)
しかし、主人公があんまりにも素直ないい子だったばっかりに、だんだん人間のことを信用してもいいかな、とか思い始めるわけですよ。
まあそれでも、過去に人間に手酷く扱われたり、大切だと言っておきながら実際は最初だけだということを身をもって体験させられたりしたせい(実はこれリチャードの勘違いだったりするんですが)で、信じきれないんですよね。
ようやっとリチャードの心が動き始めた頃、団長から「期待して待っている」と手紙が届きます。
団長からの任務は失望させないためにも絶対完遂したい、でも…と迷いが生じていることに気付きます。
そこで初めて人を愛することは無理だと思ってたはずなのに、もしかしたら、主人公だったら信じられるんじゃないかと思い始めたというリチャードの心境が聴けるんですが…
せ、切ない…!
さらに、実は「魂を奪う」ということの本質をわかっていなかったリチャードの嘆きとその後の展開、ここがラスト1トラックに当たるんですが、心して聞いて欲しい!!!
いやーー近藤さんに負の感情の演技させたらほんとすごい。
喜びからの、悲しみ、絶望…そして狂気。
個人的にこのCDの凄いところは、リチャードが人形であるということを、聞いてるこっち側も忘れるくらい普通に人間なところですね。
途中で「人形使いが荒いな!」とか言われるんですけど、普通に食事もするし出かけるし、風呂にも入っちゃうので、人間と何が違うんだよって思います。
ただ、リチャードが人形ということは、人間の常識が通用しないということで……
ここに関しては上手い仕掛けだなと思いました。ほんとにすごい。
設定からフラグが立っていた、だなんて…見事にしてやられました。
(というか、根底から覆すようであれなんですが、このキャラクターたち本当にドールなのか…?ドールだと暗示かけられた人間とかだったらもう色々とヤバイ。闇が深い。)
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ちなみに初回盤にはフリートークが入ってました。(6分ほど)
フリト中に流れるBGMが、あんまりにも明るいBGMで本編とミスマッチしてて笑ったんですが、あえて選んでるとしたら制作陣はとんでもない策士だな、と思います。
団長の掌の上で踊る滑稽な人形と人間、みたいな…考えすぎかな~